月刊【 イス・ログ 】

椅子好き集まれ!ファニチャーイスト:石川 尚のAll About公認オフィシャルブログです。

Repair Work 「Nordic Lighting stand K」その3

オリジナルスイッチは、フットスイッチ(足で踏んでON-OFF)。

しかしながら、スイッチ内部に不具合があることを発見し、類似品を探すことに。

同寸のものがなく、他の方法を模索。

フットスイッチは諦め、幸い小さめのレバースイッチを見つける。

早速、半田付け配線を行う。

スイッチの足元にワッシャーを固定し、それなりの納め姿となる。

ベース内の配線を固定し、蓋を取り付ける。

洗い+ワックスがけの木製シェード受にブラスの金具、味わいのある姿。

年代物の北欧Lighting standのリペアが、完成。

早速、旧パーツも含め梱包し、配送手配を完了。

 

お預かりして随分と時間がかかり申し訳ない思いだが、

こうして復活したスタンドを見ていると

普段の暮らしを照らす愛用品を手にする時の友人の笑顔が浮かぶ。

Repair Work 「Nordic Lighting stand K」その2

配線リペアに入る。

まずは、ソケット固定金具のザビを落とし、塗装。

布巻き配線のコード割り。

ソケットガイシへ配線を固定する。

オリジナルと同じ仕様:保護の為にビニールチューブに布配線を通す。

シェード内へソケットを入れる。

ソケット固定金具を定位置に固定し、配線する。

シェードを木製シェード受に固定金具(ブラス)で固定する。

次は、スイッチ取付で完成へ。

naoishikawa.hatenablog.com

に続く。

Repair Work 「Nordic Lighting stand K」その1

数年前に友人から頼まれた照明スタンドのリペアワーク。

早速、補修用各パーツは買い揃えたが、作業実施を保留のまま時間経過していた。

ようやく今回、作業実施。

Lighting standの新旧の各パーツ。

中央は、変色した旧コード類と、ソケットパーツ(トレーの中)

まず、シェードの洗いから始める。

耐水ペーパで外部、内部を丁寧にペーパーを掛けながら洗う。

洗い終わったら、ワックス掛け。

オリジナルを生かし、綺麗になったシェード。

次は、配線リペアへ。

naoishikawa.hatenablog.com

に続く

 

名作椅子『低座椅子』の記事

業界新聞の「家具新聞」に

【ロングセラーの秘密】という名作椅子の記事が掲載された。

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昨年他界された長大作さんが坂倉準三建築研究所で仕事をされていた時代にデザインした天童木工の『低座イス』。

 

日本人がデザインした日本の暮らしの中に生まれた名作椅子だ。

生前、長大作さんに椅子デザインについて直接伺ったことを思い出す。

 

「何度もなんども背のラインを描いた。

 描いた先から坂倉さんに手直しされ、背の線が重なって何が何だかわからなくなった。

でも、何本もの線の中に坂倉さんの描いた線がはっきり見える瞬間があった。」

 

こだわってできた椅子の背はこの椅子のキモ。

 

低座イスは、未だに天童木工のロングセラー商品。

長さんや坂倉さんの椅子に対する思いがしっかりと残されたデザインなのだ。

 

 

World Interiors Week 2016 in JAPAN「世界同時開催の暮らしを豊かにするインテリア週間」 記者発表

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World Interiors Day、World Interiors Weekは、

「世界同時開催の暮らしを豊かにするインテリア週間」

 

一昨日の10/20、六本木、東京ミッドタウン・デザインハブにて「World Interior's Week 2016 in JAPAN」開催概要について記者発表が行なわれました。

 

僕が副理事長を担っている公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(略称:JID)と本年度60周年となるグッドデザイン賞を主催する公益財団法人日本デザイン振興会(略称:JDP)が、共同主催する国際的なイベントについてです。

 

記者発表会では、JID理事長の喜多俊之氏、IFI前エグゼクティブボードメンバーの橋本修氏、JDP常務理事の青木史郎氏が、日本のインテリアの現状と今後の展開について事例をあげながら説明されました。

 

「World Interior's Week 2016 in JAPAN」は、東京ミッドタウン・デザインハブを主要会場とし、インテリアデザインをテーマに全国規模で展開するイベントです。シンポジュームやセミナー、企画展、交流会などを国内各地の自治体やメーカー、デザイナー、教育機関などと連携実施し、インテリアデザインを通して暮らしの質の向上、住まい産業の活性化を目的として開催します。

 

つまり、「世界同時開催の暮らしを豊かにするインテリア週間」なのです。

 

2016年のテーマは、「INTERIORS INTERLLIGENE」

このイベントを今から13年前に提唱したのが、国際インテリアアーキテクト/デザイナー団体連合(略称:IFI)。IFIは、加盟国110か国、会員総数は約270,000人のインテリアデザイナー国際組織です。

IFIでは、毎年5月最終土曜日をWorld Interiors Dayと推奨していますが、日本ではこの最終週をWorld Interiors Weekと定めています。

 

来年2016年のテーマは、「INTERIORS INTELLIGENE」。

 

少々わかりずらいテーマですが、

インテリア・・・つまり「空間」、インテリジェンス・・・つまり「知性」。

 

テーマを「豊かな会話が生まれる豊かな空間」と解説された喜多さんの言葉が印象的でした。

 

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空間(インテリア)は、暮らしの舞台

今アジアでは、特に中国、韓国、台湾、シンガポール等の国では、凄まじい勢いでインテリアデザインが発展しています。数多くの世界中の家具メーカーも出店し、住まいやオフィス環境は目を見張るものがあります。

 

そんな中、日本は戦後の驚異的経済発展、その後の失われた20年を経て、経済大国、物質的豊かさは成し遂げましたが、暮らし空間、つまりインテリアの質は、けっして大国とは言えず、まさに後進国となっていると言っても過言ではありません。

 

空間(インテリア)は、暮らしの舞台です。

 

豊かな暮らしを育む為に空間(インテリア)は、とても大切。

 

JIDとJDPが提唱する「世界同時開催の暮らしを豊かにするインテリア週間:World Interiors Week 2016 in JAPAN」

 

来年の5月の最終週、私たちが、住まい方、暮らし方を考えるきっかけのイベントとなることを期待しますね。

 

 

 

鬼怒川決壊の中に建つ白い住宅は?

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中継映像に飛び込んだ白い住宅

なが〜〜〜〜〜〜く、

休養の日々でしたが、本日【イス・ログ】再開です。

 

休養の理由は、別の機会にお話ししますが、

今回は、気になる出来事について。

 

 一昨日からの鬼怒川決壊による大惨事。

TVでの現場中継は、あの3・11を彷彿させる映像でした。

 

荒れ狂う濁流の中、流される車や家々。

「ワ〜〜〜〜!」・・・・・・思わず声が出ます。

 

中でも、電信柱にしがみついてる男性。

後に救援ヘリで救助され、よかったぁ!

 

そして、その後ろの白箱タイプの住宅。

バルコニーから家族が次々に救助され、ほっと一安心。

 

周囲は洪水の勢いに崩壊しながら流される家々ばかり。

 

テレビ中継される中、洪水により1階部分が浸水しながらも

1軒の白箱タイプの住宅は、流されずに強固建っています。

 

ネットでも大きく注目されてました。

 

翌日朝の時点でも、周囲には大破した家屋の残骸や車、倒木などが散らばる中、この住宅はしっかりと残っていました。

 

 

白い住宅のメーカーは、ヘーベルハウス

 誰しもが思ったのではないでしょうか?

 

『あの家は、どのメーカー?』って。

 

白い住宅の頑丈さに驚いた人達、ネット上で話題を呼びましたね。

で、映像や画像など・・今は便利ですね、すぐ観れる、調べられる・・

から、あの白い住宅は、『ヘーベルハウス』とわかりました。

 

 

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旭化成ホームズの『ヘーベルハウス』です。

ボクは、住宅メーカーの総合研究所勤務でしたから、その当時からヘーベハウスのことは知っていました。

 

ヘーベルハウスは、外壁や床などに軽量気泡コンクリート建材を採用している住宅。

 

軽量気泡コンクリートは、軽くて強度が高く、駅や高層ビルにも使う優れた建材です。

くわえて構造は鉄骨構造だから、住宅でもビル並みの強固な構造。優れた建材と強固な構造が住宅の高い耐久性を生み出しているのです。

 

 強い住宅は、強い構造がポイント

ネット上ではかなりの人達がヘーベルハウスを賞賛し、『建てるならヘーベルハウス』と絶賛しています。

 

ただ、ヘーベルハウスだけではなく、他にも強固な住宅はあります。

要は、住宅の耐久、耐震、防火性などの災害に強い構造がポイント。

 

あらためて鉄骨構造住宅の強さを実証した現場でした。

 

テレビCMでも話題のヘーベルハウス、益々ヒットアップするだろうなぁ・・・

 

 

と、椅子ではなく家の話題で休養明けのブログ開始です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンス・ヴェグナーのミニ・エルボーチェアを作りました。20150211

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ワークショップでミニ・エルボーチェア作り

ハンス・ヴェグナーの名作椅子:Elbow Chairのミニ(縮尺1/6)をつくるワークショップを開催しました。

 

参加者は主婦、中学生、ワークショップマニア、商品プロデューサー、管理栄養士さん等、ミニ椅子製作とは無縁の方々。

 

縁は、『椅子好き、モノ作り好き』

 

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終日夕刻迄、永遠作り続けるワークショップは、ほぼ2ヶ月前の第一回目に続き2回目でミニ椅子を完成させる内容。

 

とにかく、皆さん、椅子が好きなんですね、モノ作りが好きなんですねぇ・・・お昼も、休憩もボクが「休みましょう!」と言わなければ、エイエンにやっています。

 

アホッか!(失礼、良い意味で、ですよ)って言いたくなるほど。

ボクも制作ごとをやっていると、妻によく言われます

・・・「よく食事もとらないでつづくねぇ〜」って。

 

各パーツが、座や肘や脚などカタチになり始めると、皆ニコニコ顔。

一つのカタチにすることだけを、無心に、夢中に、なることが気持ちいいんだね。

 

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そして全員完成!

『手間ひまかかった分、愛着が湧きます!』と笑顔の言葉がたまりません。

 

椅子作り、モノ作りを知ること、

大変さ・大切さを知ること、

そして『愉しむコト』をいつも思っていただけるとありがたいです、ね。